【中小企業診断士】企業経営理論その1-ドメイン【試験勉強】

中小企業診断士

皆様おはこんばんにちは。

GWも本日で終わりですが、皆様今年のGWはどの様に過ごしましたでしょうか?

私は最後の方は医院・病院・歯医者のトリプルコンボで医療機関に通ってばかりでした。なんなら明日も病院で検査です(遠い目

年一の検査は結構重なるものですね…

 

 

さて、本記事では中小企業診断士の試験勉強で自分が覚えた事をアウトプットしていきます。

今回の科目は企業経営理論のドメインに関してです。

企業経営理論-ドメイン

企業ドメイン/事業ドメイン

企業戦略ではどう経営を行うかを考える前に、どこで経営を行うかということが大切になってきます。

これを『ドメイン/domain』と呼びます。

ドメインは元々「領域」「分野」を指す言葉で、マジック:ザ・ギャザリングでは『版図』というキーワードの能力にもなっていますね。

 

企業経営理論ではドメインは事業を行う領域を指します。

ドメインを定義すると『意思決定の明確化』『組織の一体化』『経営資源の集中』といったメリットが生じます。

 

設定するドメインの広さは広すぎず狭すぎずが大切となります。

広すぎると競合する相手が増える上に経営資源が拡散してしまいますし、狭すぎると市場が小さすぎて事業が行えなかったり、その事業での競争に敗れると企業の経営が危ぶまれる可能性があります。塩梅が難しいですね…

 

そしてドメインは大きく分けると、『企業ドメイン』『事業ドメイン』の2つがあります。

企業ドメイン … 企業全体を表すドメイン
事業ドメイン … 事業単位のドメイン

 

イメージとしては企業ドメインが複数の事業ドメインを内包している感じです。

例:複数の事業を経営している企業の場合

■企業ドメイン

■事業ドメインその1(運輸業)
■事業ドメインその2(サービス業)
■事業ドメインその3(小売業)

 

企業ドメインでは展開する事業(多角化)の範囲や、組み合わせ(事業ポートフォリオ)、アイデンティティ(同一性)を決定し、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含している存続領域を示します。

事業ドメインでは影響個別事業毎の範囲(自社が事業をする範囲)を決定し、各事業での新規事業進出分野の中心となる顧客セグメント選択の判断等にも影響します。

ちなみに一つの事業を営んでいる会社では企業ドメインと事業ドメインはイコールになることが多いです。

 

ドメインの定義方法

ドメインの定義には物理的な定義』機能的な定義』の2つがあります。

物理的な定義ではドメインをモノとして定義し、機能的な定義ではドメインをコトとして定義します。

例を挙げると、船舶事業を営んでいる企業に対しドメインをモノとして定義すると「船舶業」となりますが、コトで定義すると「運輸業」となります。

こう見るとモノは明確で固定的、コトは不明確で柔軟な印象があるかと思います。(運輸業には船舶だけでなく鉄道やトラックも含みますからね)

 

つまりドメインを物理的に定義した場合、範囲の幅が狭くなって事業展開が制約されてしまう可能性があり、これはマーケティング・マイオピア(近視眼)と呼ばれます。

一方機能的に定義する場合にあまりにも抽象的に表現した場合は、事業展開の方向性があやふやになり、経営資源が分散しがちになるので留意が必要となります。

 

エーベルの三次元事業定義モデル

事業ドメインの定義を行う時の切り口には様々な手法がありますが、有名なのに「デレク・F・エーベル」が提唱した『三次元事業定義モデル』があります。

三次元事業定義モデルでは事業ドメインを場(顧客)軸』機能軸』技術軸』の3つから定義します。

・市場(顧客)軸 …… 製品やサービスを享受する顧客がどの層であるか
・機能軸 …… 顧客の需要はなにか
・技術軸…… 顧客層に顧客機能を提供するためにどの技術を持つか

 

この3つの軸から以下の3つの質問を考えることができ、これらの3つの問いの答えが明確になれば、事業ドメインを定義したと考えることができます。

・その事業の恩恵を受ける顧客は誰か?
・その事業で満たすべき顧客ニーズは何か?
・その事業はどんな技術によって実現できるか?

 

例として「船舶での製品輸送が主力事業である運輸業者」で事業ドメインを考えると、

・その事業の恩恵を受ける顧客は誰か? → 製品を利用するメーカー
・その事業で満たすべき顧客ニーズは何か? → 製品を購買者に迅速に、安全に、確実に届ける
・その事業はどんな技術によって実現できるのか? → 船舶やシステムの性能向上、物流ネットワークや梱包等のノウハウ取得

…となります。

 

出題傾向

ドメインに関しては企業ドメインと事業ドメインの違いに関して聞かれることが多いです。

 

■中小企業診断士 企業経営理論 令和元年 第1問
●多角化して複数の事業を営む企業の企業ドメインと事業ドメインの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。 

ア 企業ドメインの決定は、個々の事業の定義を足し合わせるのではなく、外部の利害関係者との間のさまざまな相互作用の範囲を反映し、事業の定義を見直す契機となる。
 →正解です。企業ドメインの決定は各事業ドメインの定義を足し合わせるだけでなく、外部のステークホルダーとの影響(機会や驚異)を反映し、事業の定義を見直すタイミングにもなります。

イ 企業ドメインの決定は、新規事業進出分野の中心となる顧客セグメント選択の判断に影響し、競争戦略策定の出発点として差別化の基本方針を提供する。
 →不正解です。赤太字の箇所が誤りで、顧客セグメント選択の判断に影響するのは企業ドメインではなく事業ドメインとなります。

ウ 事業ドメインの決定は、将来手がける事業をどう定義するかの決定であり日常のオペレーションに直接関連し、全社戦略策定の第一歩として競争戦略に結び付ける役割を果たす。
 →不正解です。赤太字の箇所が誤りで、将来の事業をどう定義するか、全社戦略策定の第一歩となるのは事業ドメインではなく企業ドメインとなります。

エ 事業ドメインの決定は、多角化の広がりの程度を決め、部門横断的な活動や製品・事業分野との関連性とともに、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含している存続領域を示す。
 →不正解です。赤太字の部分が誤りで、これは企業ドメインに関する説明となります。

オ 事業ドメインの決定は、特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域の範囲をどう定義するかについて、企業が自らの相互作用の対象として選択した事業ポートフォリオの決定である。
 →不正解です。赤太字の部分が誤りで、将来の事業をどう定義するか、事業ポートフォリオをどう決定するかは企業ドメインに関する説明となります。

 

以上、ドメインに関するお話でした。

過去問をやってると企業ドメインと事業ドメインの違いは毎年1問は出ている印象があります。

その一方で説明がどっちのドメインを指しているかがごっちゃになりやすい(私もよく間違えている)ので、試験までに抑えておきたいと思っております。

この記事が読んでくださった方の一助になれば幸いです。

 

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